2025年4月19日土曜日

親愛なる友人の皆さま方へ


突然ですが、この度私は家を買うことにしました。













家を買うのは初めてのことです。
ローンを組むのも初めて。

Youtubeで、
「持ち家・賃貸論争に決着をつける!」とか、
「これだけはするな!不動産購入の際のやってはいけないトップ5!!」とか、
「住宅ローンで破綻する人の特徴23選!!!」とか、
そんなのばっかり観ているわけですが、
海千山千、何でもわかっている風の彼らにやいのやいの言われて、
もう頭は「!」でいっぱい。

それでも、チャットGPTを有料バージョンに切り替えて、
シュミレーションにシュミレーションを重ねた結果、
(確信に近い)推論を得ましたので、みなさんにお伝えしたいと思います。

それは、

私はしばらく貧乏になるであろう。

これです。

いや、貧乏になる訳ではありませんね。
貧乏かどうかでいえば、これまでだって十分貧乏だったのですから。
逆に私は家を買うことで資産を持つのですから、
この計画は労働者から資本家への移行であるといっても過言ではありません。
貧乏になる訳ではない。

しかし可処分所得は格段に少なくなります。
月々の経費は倍増するそうで・・・。

なにしろ、ローンを組むのですからね!
組み方もわからないのに、とにかくローンを組むのです。
ということで、貧乏ではないかもしれないけれども、
おそらくケチにはなるでしょう。

現在住んでいる屋根裏部屋の大家さんのマックスは、
私の家を買うにあたっての先生のような人です。
その彼が最初の家を買うために取った重要な戦略のひとつは、
「何も買わないこと」だったと言っておりました。

必要なものだけを買い、必要ないものは買わないこと。
車、ソファ、テレビ、たくさんの服、高価なバカンス、夜遊び、日常的なカフェやレストラン、バーなど、そういったものは買わない。
約40年にわたって車を持たなかったことで、
彼はおよそ50万ユーロを節約できたというのです。

私は最初から車は持ってませんけどね。
免許すら持っていませんから、常にそこは節約できている訳です。
子供もいませんから、プラス100万ユーロの節約です。
マックスの粋な取りはからいにより、格安の家賃で生きてきましたから、
おそらくこの5年間で2万ユーロは節約できたことでしょう。
なのにどうしてこんなに貧乏なんだろ。

そんな事はどうでもいいけれど、そうですね。
映画、演劇、美術館、たくさんの服、旅行、日常的なカフェやレストラン、そういうものはこれから節約できるかもしれません。

私の家計を見直してみると、交際費の割合が思ったよりも大きい事に気がつきます。
何しろオランダは物価が高い。
ちょっと友だちと喫茶店に行けば15ユーロくらいは飛んでいくし、これがランチとなると30ユーロくらい、ディナーとなれば60ユーロくらいになるのです。
それに加えて、
交通費、ブラブラしている時につい買っちゃう可愛らしい品々、手土産、
「ここは私がおごるよ!」。・・・

親しい友人の方々には、心に刻んで頂きたいのです。
今後、私は人づきあいが悪くなるかもしれません。
でもそれは、皆さんが嫌いになった訳ではないの。
ただ単に、ドケチになっただけなのです。
だってローンがあるのですもの。

これまでの、金に関して割と無頓着で、うるさいことを言わない私は死にました。
私は計算して、計算して、計算したのです。
その結果、友人一人当たりに使っていい経費は、
およそ一回につき5ユーロであるという結論に到達したのです。
少なくとも最初の5年間はね。

大変申し訳ありませんが、今後、私との友だちづきあいは、
基本的に5ユーロの範囲内でお願いします。
会うとしたら、おたがいの家とか、公園とかね。
遠方の方からのお誘いには、
「うーん、その日は用事があるのです、超残念だけれど」と言うかもしれません。
それは「交通費が惜しい」という意味です。
いや、そんなことない、本当に用事がある事がほとんどだと思いますけどね。
時には交通費がなくて断らざるを得ない時もあるかもしれない。
ですから、私の町に会いに来てくださるのが確実です。

これからの私は、入場料無料の演奏会にしかついていかないし、
ミュージアムカードの使えない美術館にも行きません。
例えば、フォールリンデンとかね。
私がどれだけフォールリンデン美術館が好きかを考えると、胸が張り裂けそうですけれども、でも、行かないよ。
どうしても私と一緒に行きたい人は、そうねえ・・・。
私の分までチケットを買えばいいんじゃないかしら・・・。
ミュージアムカフェで飲むコーヒーもおごりよ、当然。

「じゃあお前なんか知らねーよ。」
ローンを抱えた人間の事を、そんな風には思わないで頂きたいのです。
人はえてして、金を優先させると孤立しがち。
それはわかっておりますが、友だちよりも金のほうが大事な時が人にはあるのです。
でもいつか、あなたの方が百倍大事になってくる時もくるでしょう。

私には年老いた両親がいます。
彼らは日本に住み、私はオランダに住んでいますから、滅多に会えません。
兄と弟が日本に住んでいますから、
老いた父母が孤独死しているかどうかは気にかけずとも大丈夫ですが、
私を愛してやまぬ人々に、滅多に顔を見せぬことへの罪悪感は日々抱えて生きています。
週に一度、私は彼らに電話をかけます。

ある時、なかなか会えなくてごめんねと母に言ったら、彼女は言いました。
「近くに住んでいても、人ってなかなか会いにこないのよ。
 そうすると、どこで何をしているか、全然わからないの。
 それなら結局いないのと一緒。
 でもあなたとは週に一度話しているでしょ。
 顔が見えなくても、話が出来ていれば一緒にいるのと同じなのよ。
 遠くにいても、あなたのほうがよっぽど近いの。」

これですよ。
ここに私はひとつの真理を見出しました。
物理的に会えなくても、近況をアップデートさえしていれば、心の距離はそのまんま。
ずっと近いままでいられるのです。

そういう訳で、私はこのブログを始めることにしました。

是非ともこのブログをブックマークして、気になった時にチェックしてみて下さいな。
そうすれば、私たちはずっと友だち同士。
つきあいの悪くなった私の悪口を耳にしたら、このブログを拡散してください。
「あ、ローンを抱えているんだな」とみんなにわかるように。

長年にわたって日本を離れていたせいで、私の友人も人種は多岐に渡っています。
それで、どうせだったら、親しい各国の友人の方々に、彼らにわかる言語で読んでもらおうと思いたちました。

英語はここ
オランダ語はここ
ロシア語はここです。

多言語を勉強している方々も、この言い回し、どうなのかな?と思った時に便利かもしれませんね。
ぜひチェックしてみて下さい。

そういう訳で、長くなりましたが、私の家を買うプロジェクトは始まったばかり。
本当に買えるかどうか今の時点ではわからないけれど、ベストは尽くすつもりでおります。

皆さんとはしばらく疎遠になりますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。



0 件のコメント:

コメントを投稿

メスメリカな一日

私はデン・ハーグにあるOmniversum Museumが大好き。 ミュージアムというより映画館なのだが、上映されているのは普通の映画ではない。 プラネタリウムのような丸天井のスクリーンがあって、 とにかく視界すべてをスクリーン映像が覆い尽くすものだから、 身体がまるでその世界の...